男児の女性乳房化の原因はラベンダー油 2008-1-21
男児の女性乳房化の原因はラベンダー油
ラベンダーなどの精油を含有する製品の使用によって、男児の乳房成長が生じるという知見が、米医学誌「New England Journal of Medicine」2月1日号に掲載された。この研究は、昨年(2006年)6月にボストンで開催された米国内分泌学会年次集会で報告されたもの。
米コロラド大学小児内分泌科医のClifford Bloch博士は、10歳、7歳、4歳の男児3例の女性化乳房という珍しい症例に遭遇した。ほかには何ら異常は認められなかったが、3人にはラベンダーまたはティーツリーの精油を含む製品を使用しているという共通点があった。3人が使っていたのは、ヒーリングバーム(癒し用香油)、ローションと石鹸、シャンプーとヘアスタイリングジェルであった。
Bloch氏とともにこの症例を検討した米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)のKenneth Korach氏らは、精油が乳房の成長を刺激する女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用をもたらすのか、それとも乳房の成長を抑制する男性ホルモンであるアンドロゲンを阻害するのかを確かめるため、ヒト細胞を精油に曝露させる実験を行った。その結果、精油は男性ホルモンと女性ホルモンの両方に影響を及ぼし、独特の内分泌(ホルモン)撹乱作用をもたらすことが明らかになった。
精油を含む製品の使用を中止すると、男児らの乳房は正常に戻ったという。皮膚や髪につける製品が原因でこのような異常が発生する頻度について、Korach氏は「比較的珍しい症状であると思われる」としているが、Bloch氏は「よくみられるものではないが、皆が思うほど珍しいものでもない。女児で同様の現象を見たことがある」と述べている。
Korach氏は、この経験によって、数年前に発表された死体防腐処理者の成人男性に乳房成長が生じた症例を思い出したという。この患者は男児らが使用した精油と化学的に同族の物質を含む防腐液を使用しており、ゴム手袋を使用していなかった。
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一体どれだけ使ったものだろう。