整形外科と心療内科2007
JA長野厚生連安芸総合病院整形外科の谷川浩隆先生によれば、
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患者の反応が、精神科と整形外科の場合で違う。たとえば、
腰痛の原因が心理的なものであると推察された症例について、心理学的な問診を行った場合。
精神科の診察室の時は、問診がきっかけで痛みの心理的原因が明らかになり治療がスムーズになった。
整形外科の診察室の時は、「整形外科の医師になぜ家族のことを聞かれるのか」と拒否的な反応が返ってきた
整形外科を受診する患者には、
(1)心理的原因への気づきができない(ことさら気づきを拒絶している)
(2)心理的原因についての訴えには自ら触れない
(3)心理的な原因を探るための問診に対して、拒否的である(時には医師に対する不信感を露にする)
(4)身体的治療への期待感が非常に強い
(5)私的生活への言及は痛みに対するもののみ
(6)医師に対する人間的なかかわりへの期待度は低い(痛みだけを治してくれればいいという姿勢)
などの特徴がある。
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なるほどそうですね。心理的なことが原因で腰痛が起こっているとなると、自分は精神的に弱い人間だと認めることになり、それは受け入れられないということのようです。
心療内科を受診するということ自体、そのレベルはすでにクリアしたということなので、むしろ、その先の話ができて、治療も進むわけです。
本当は心理的原因があるのに、「腰が痛いだけなんだから、薬とか理学療法でなんとかしてください」と言う患者さんの場合、難しいものがあります。だって原因療法を拒絶しているわけですから。