自律神経を巻き込むうつ病 2008-5-24
うつ病の二大「目立つ症状」として
最近は
1.憂うつ……うつ病という名前がついているくらいですから、憂うつですね。
2.興味喪失・心から楽しめない……これはうつという言葉と直結しないかもしれませんが、強調されている点です。
そのほかにいろいろとありまして、たとえば次のような具合です。
睡眠、食欲のチェックが入っています。
この他に、肩こりが続く、頭重感、頭痛、心臓のドキドキ、便秘、月経の不調、性欲低下など、
いろいろな身体の症状が出ます。
憂うつであることの結果としてもでるでしょうが、
それ以上に、病気それ自体が、自律神経系をまきこんでいる印象なのです。
人生はいろいろとあって憂うつなものですし、
「心から楽しむ」なんて、最後はいつのことだったか、
思い出せないくらいの人も多いのではないでしょうか。
心から笑ったり、心から楽しむなんて、
子供ではないのですから、そんなにあるはずがありません。
それよりも、皆さん自律神経のことで参っています。
すぐに疲れるし、だるいし、
そうなると集中もできないし、
できるはずの仕事ができないままで、
先送りになります。
ここは微妙ですね。
精神症状が先か、身体症状が先か、同時か、
たぶん、ご本人の感覚としては、先に自律神経症状なのだと思います。
精神の病のはずなのに、
身体症状から始まっているのはどうしてなのでしょうか。
たとえば食欲がないというのも微妙なところもあって、
食べすぎてしまうタイプの人はいますし、
食べられないと言っても、夕食に出されたものは全部食べている、
自分から「あれ」が食べたいという気持はわかない、
デパートを歩いていて、好物なのに食べたいとも思わない、
などいろいろあります。
どこまでを症状として拾うかは、難しいところです。
機械的にはいきません。
睡眠にしても、一応眠れているというのと、
「充電」ができているのとは違いがあります。
年齢によって体質によってそれぞれ睡眠は違いますので、
標準の物差しを当ててはかってそれで終わりでもありません。
どんな感じか、伺うわけです。
土日にまとめて眠るという人は結構多いようです。
疲れているからそうなるのか、
そうなるから疲れるのか、
両方なのか、
たぶん両方ですが、
いろいろとあります。
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脳の回路で考えると、
精神症状が出て、自律神経を巻き込むシステムの障害があれば、
説明できると思いますが、
それにしては症状の範囲が広く、
憂うつ、心から楽しめない、興味喪失などの精神症状と、
自律神経失調症状、例えば、睡眠障害では、
なにか話の次元が違っているような気がするわけです。
それを一発で説明できるモデルが想定できるかというと、
何かちょっと考え方の変更が必要なような気がするのです。
セロトニンモデルでは少し足りない気がします。