種々の新型うつ病と病前性格 [編集]

種々の新型うつ病と病前性格についてはほぼ必ず問題にされる。
しかしはっきりしない。

病気の人たちと普段接していて、次第に形成されてきた知恵をまとめる人たちがいて、
病前性格論としてまとめられている。
執着気質、メランコリータイプ、循環気質、シゾチームなどが有名。
これは説得力があるのであるが、実証するとなるとなかなか大変。

しかしそれは科学的ではないし、網羅的でもなく、内部構造もよく分からないというので、
性格というものは何であり、どのような要素であるか、統計的に考えようという人たちがいる。
彼らは、刺激に対する反応の様式から、性格を取りだし、
それらについて統計処理し、
たとえば、陽気とか依存的とかの項目が独立の軸であるかどうかを検定している。
結論は出ているのだが、
あまり説得力はない。

たとえば抜粋を示せば、以下。

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うつ病の病前性格・心因・状況因
坂元
他者配慮性,秩序愛,役割同一性,権威への同一性,精力性の程度などの各標識においてメランコリー型性格とマニー型性格が対極に位置する.執着性格は,精力性の標識の配分比重に注目してメランコリー型性格とマニー型性格の間に位置づけてみた.循環気質は,遺伝規定的な概念であり,メランコリー型性格,マニー型性格,執着性格の基盤をな
す気質に相当するものと考えた.

笠原4)は,病前性格が気分障害の経過に与える影響という観点から,早くから重要な指摘をしている.すなわち弱力性優位のメランコリー型性格に精力性の混在する度合いが高くなるほど,病相にも双極性成分が混入しやすくなること,つまり(軽)躁病相や非定型精神病像を呈しやすくなることが指摘された.精力性標識の配分比重が臨床像(病像―経過型)に影響することが示唆されたわけである.またメランコリー型性格に依存性,愁訴性,誇張性というヒステリー的色彩の混在する度合いが高くなるにつれて,神経症的な病像を呈し治療抵抗性となることも指摘された.こうした臨床的示唆は,病前性格―発病状況―病像―経過―治療への反応をセットにして見るうつ病の笠原―木村分類におけるI型,II 型,III 型の分類として結実することになった.

Costa & McCrae ら7)が提唱した5 因子モデルに依拠して開発された自己記入式性格質問紙NEO-PI-R では,「神経質Neuroticism」,「外向性Extraversion」,「開放性Openness」,「調和性Agreeableness」,「誠実性scientiousness」といった5 つの独立した人格特性が評価される.一方,Cloninger8)は,人格形成に関与する遺伝生物学的側面に注目し,遺伝的に相互に独立で人間の行動の決定に重要な役割を有する3 つの神経伝達物質系に対応した3 つの人格次元を仮定した.そうした3 つの気質の次元として,セロトニン神経伝達系に依存した「損害回避Harm Avoidance(HA)」,ドパミン神経伝達系に依存する「新奇性追求Novelty Seeking(NS)」,ノルアドレナリン神経伝達系が関与する「報酬依存Reward Dependence(RD)」が抽出された8).この3 次元人格を評価するため,Cloninger によって自記式の3 次元人格特性質問表TPQ(Tridimensional PersonalityQuestionnaire)が開発された9).

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Cloningerの
セロトニン→損害回避
ドパミン→新規性追求
ノルアドレナリン→報酬依存
とする説は分かりやすいものの、
それでどうした?という感じ。
お互いに独立した系ではないと思えるので、回りまわって影響しあっているはずだ。

損害回避、新規性追求、報酬依存についてはエレメンタリーというよりは、
高次の意味づけであると感じる。
しかしそれでも、マウスでの行動でも定義できて測定できるから、かなり前進である。

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こんな状況をすっきりさせたいので、MAD説では、神経細胞の反復刺激反応性で分類してみた。
分かりやすいし、かなり説明できるのだけれど、
やはり、協調性、対他配慮の点を取りこむことができないようだ。自己中心―対他配慮の軸。

同調性 syntoneはシゾチームの逆だと割り切り、
対象との距離をどの程度に取りたいかを考えて、
そうすれば、動物としてかなり基本的な脳回路になるのだが、
しかしそれはやはり、MAD説でいうような基本的な要素とはかなり異なる。

対他配慮について、損害回避、新規性追求、報酬依存のどのあたりかと考えても、
どれも関係しているように思われる。
損害回避したいから対他配慮してあらかじめ気を使っておくのだし、
新規性追及の気持ちはあり、そして新規なものが敵なの味方なのか、上なのか下なのか、確認するためにも、対他配慮という方法を使うのだろう。
報酬依存しているからもちろん対他配慮するのであって、対他配慮は長期の大きな報酬になる。

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