協調性の指標 2008
協調性の指標は、インタビューだけでは分からない。他人に気を使って疲れますといいながら、
まったく自分勝手な人もいて、
自分なりに疲れるというに過ぎないこともある。
気を使うのが苦手で、だから疲れるだという面もある。
気配りができますかという話になって、
診察室の中で気配りできない様子が分かるのだけれど、
それでも、私は気を配りすぎて疲れるのだと自己陳述し、
友人にも、気を使いすぎるから疲れるとよく言われると
語ることもある。
協調性と対他配慮が、自分なりにあるけれど、足りないといわれて、疲れるというなら、
結局はないということなのだけれど、本人としては、報われない感じがしている。
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わたしは協調性がありませんという人の中には、かなり協調性が高い人もいる。
基準が高いので、自分はそれに届かないというだけで、
世間並みの基準でいえば、充分に協調型である場合もある。
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このあたりは本人の感じ方をインタビューすると同時に、行動観察が大切だ。
特に集団場面での観察が生きる。
たとえばデイケアの中での観察とか、会社での実際の言動の観察とか、
それによって得られるものが大きい。
またたとえば、入院していただいたときの病棟での行動様式は、特徴的である。
実に鮮やかに、対他配慮が出現する。
診察室で言葉をやり取りしているだけでは分からないものが、
入院生活や作業などで一緒に時間を過ごせばよく分かる。
そのようなものが協調性の指標である。
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知能が低いならば別だけれど、
ある程度知能が高ければ、協調性は、後天的に発達させることもできる。
実際皆さん後天的に作り上げている。多くは立派な先輩を見習って、
半ば自然のうちに、半ば自覚的に、後天的性格を作り上げる。
社会に適応していくためには、
幾層もの社会的王モデルを身に付けているものであって、
時と場合によって、適当なモデルを外側にだして、外部と付き合っている。
いつでもどこでもAさんはAさんだと言う人もいれば、
あのBさんにこんな面があるんですかと驚かれる、そんな人もいる。
どのあたりに着目して、性格を描写するのか、簡単ではない。