個人ごとのイメージ空間と集団的イメージ空間を考慮しなければならない イメージシステムについて 2009

俗流夢分析では、蛇は何の象徴、などと言われる。

ある種の文化伝統の内部でならば神経症やうつ状態またシゾフレニーで出てくるイメージを

そのように解釈するのもいいのかもしれないが、我々日本文化の文脈で見ると、

そうした西欧文明のイメージシステムを直接移植して何か論じるのはあまり意味がないだろうと思われる。

では独自のイメージトステムはどのようなものなのか。そういう関心である。(2023-10-13記)

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イメージ空間測定法 2009

たとえば夢でウサギを見たらその意味は?

なんて言うのが

古代からの夢判断にあるのだが

現代的に言えばそのウサギはどうなんだろうと考える

夢というものは

脳の活動の中で生じるノイズを

脳が過剰に解釈してしまうもので

たとえて言えば、壁のシミがウサギの顔に見えるとか

そんなのに似ているものだと思う

そうすると

その個人の中でのイメージシステムが

どうなっているかをまず把握して

その上でのイメージ解釈ということになる

昔から言われているように

まず文化とか言語という、集団のイメージシステムがあり

その中でのウサギの意味がある

その上で、各個人のイメージシステムが成立していて、

その中でのウサギの意味がある

集団的イメージシステムと

個人的イメージシステムの間には

様々な中間形態があるので

それぞれの人が複数のイメージシステムを保持しつつ、

そのイメージシステムを使用する場所と時をコントロールしている

そのコントロール部分が人格の中枢部分である

言語学方面で

意味の研究をしている人たちは

意味空間というようなものを構想していて

たとえばウサギ、月、すすき、餅、などのイメージがどのくらい近くて、どのくらい遠いのかを研究している

物体同士の距離も問題だし、

物体と形容詞の距離も問題になる

カワイイとかきれいとかの形容詞は

ウサギや月という物質とどれだけ近いのか遠いのかと研究する

測定するのだから距離の尺度がある

意味の距離が可測的だという主張がまず問題で

それが妥当であることを証明するためにも、

それが客観的に測定可能であることを示している

試みは完全に成功だとも言えないのだが

完全に不成功だとも言えないように思う

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個人的には

個人が使用しているパソコンや携帯の辞書を分析することで

一般的な初期辞書からの偏位を測定してそれを数値として示す

それによりイメージ空間の特性数値とできないかと考えている

昔で言う連想試験とか連想ゲームのようなもので

どの言葉とどの言葉が近いのかということだ

実際の言語使用の中で言語の順番を全部記録しておけば、

その個人の内部で、位置として近い言葉と遠い言葉を定義することができる。

月という言葉が出てきたらその前後10語以内にウサギという言葉が出現するのは何%とか

月という言葉の5語以内に美しいという形容詞が出現するのは何%とかを測定することができる。

これは辞書の変換精度を高めるために行っている手法だと思う

それを個人の場合に使って、一般的初期状態とのズレを検出すればいいのだと考える。

そのような研究を基礎として、

そのひとのイメージシステム空間を考えて

その中でのウサギを考える

そのような手順を踏めば

夢の中に出てきたウサギの意味も

かなり位置決めができるようになるのではないかと思う

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このような測定をいろいろな病気のひととか

言語システムの違う人とかでデータを集積していけばいいのだと思う

実際には連想試験系統のデータを意味空間としてまとめたものはすでにかなり昔からある

現代では携帯辞書などがあるのだからそれを分析すれば早いと思う

また、文章をたくさん書いている人ならば、

それをコンピュータ処理することでいろいろなことが分かりそうだ

辞書分析でも文章分析でも

その変換をしているとき、その文章を書いているときは、

どのイメージシステムを用いているかを測定することも大切である

より公共性の高い場所で使うイメージシステムと

より個人的な場所でのイメージシステムとは

違いがあるはずである。

だからそれをごちゃ混ぜにして測定しては意味がない。

個人Aと個人Bと集合Cと集合Dの平均値になってしまう。

その意味でセルフアイデンティティの部分でのスイッチングをきちんとデータとして付加して、

その元での、データ処理をするべきだ

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イメージシステム空間分析という趣旨から言えば

言葉ではなくてイメージそのものの処理ができればもっと良いのだが

それはもっと難しい

例えば、ウサギ、月、すすきの三つを見たときの脳の活動のパターンを研究して、

月についてどのような反応を呈するのかを調査する方法はある

それは月が提示されて、どのような形容詞と名詞が近くに存在するかを調べるのに似ているが、

やはり少し違う意味がある

光トポグラフィーなどで脳の表在部の活動は記録できるし脳波も使えるかもしれない。

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いつも絵をかいてもらう人がいて

その人の絵の中ではウサギがいつもどこかにいて

最近は太陽が照りつけて

雪がだんだん溶けていく

ウサギは雪の中に入っているのだけれど

ウサギの耳だけがときどき焦げている

暑いので最近は大きな葉っぱを頭の上にかざしておいて日陰を作るようにしている

さらに最近は雪はすっかり溶けて

ウサギはニコニコしてこちらを見ている

そのような絵と、絵の変化を見て、その人のイメージシステムのあり方を考えている

その中からこのウサギが出ていて耳が焦げているとはどのような意味なのか

個人のイメージシステム空間を想定しつつ考える

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